ぼくの太陽 きみの星
「もっともだと思ったから、オレはそれを呑んだ。

正直な気持ちとしては、かっさらって逃げたいところだったけどね。


でも、未怜にはお父さんやお母さんとの関係を大事にしてほしかった。

やっぱり家族だから。

父さんもお母さんも、未怜のことを愛してるからね。


オレはずっと孤独だったから。

オレの二の舞にはなってほしくなかった」

「……」

「未怜と会わずに出てきたのは心残りだったけど……そういう約束だったから。

だから一切連絡もしなかった」

「……そっか……」


胸のつかえが下りていく。



「んじゃ、まだ会いに来ちゃいけなかったのかな」

「あはは、まあね」


鷹耶は笑った。


「お父さんに正直に話すといいと思うよ。

自力で探しちゃったって。


20歳まで会うなって言われちゃうかもしれないけど……

でも、話のわかる人だと思うし、この際腹を割って話すといいよ」

「うん、話す」

「オレもこういうことがあったから父さんと話す機会ができたしね。

良かったって思ってるよ」
< 276 / 295 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop