ぼくの太陽 きみの星
あたしは、思わず鷹耶にぎゅっとしがみついた。



「……あたしね、ずっと、鷹耶があたしを置いていったって思ってた」


鷹耶は黙ってあたしの髪をなでた。



「ママが、鷹耶はあたしのこときっぱりあきらめたって」

「……そっか」

「だから鷹耶のことは忘れろって」

「……」


鷹耶は黙ってうなずき、やさしく言った。


「……言ったろ。

オレはずっと未怜だけだって」

「鷹耶……」

「信じてなかったの?」


からかうような、やさしい声。



あたしはうつむく。


信じてなかった。


「……あたし、鷹耶のこと、忘れかけてた……」

「……」

「鷹耶があたしを置いていったことが、つらくてつらくて……」

「……」
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