ぼくの太陽 きみの星
「未怜が潰れてしまわないように、どうか未怜のそばにいてあげて」

「……」

「未怜には事情は言えないから。

それが約束だから」


「……そんなこと言っていいんですか。

未怜ちゃんを取っちゃうかもしれませんよ、ぼくが」


意地悪にそう言うぼくに、


「……いいよ」


あの人はいともあっさりそう言ったんだった。



「いいよ、って……

その程度なんですか、未怜ちゃんへの気持ちは」


食ってかかるぼくに、どこか寂しそうに微笑む。


「未怜がいいなら、それでいいってこと。

未怜の気持ちまでは縛れないから」


「……」


そして、ふと目をそらして窓の外へ目をやる。
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