ぼくの太陽 きみの星
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――あのときから1年。



いつも鷹耶はあたしを弄ぶだけで、それ以上のことはしない。

幾度となく繰り返される行為の中で、未だ最後までいったことがなかった。



……それが、鷹耶の言う「兄妹の範囲内」ってことなのかも。



鷹耶にとって、あたしはただの都合のいいおもちゃ。

たまたま同じ家に住むことになった、遊び相手。

「義理の兄妹」っていうシチュエーションを楽しんでるだけ。


まぁ言うなら一種の”妹プレイ”。



……それ以上のものでは決してないから。



あたしはあえて、鷹耶のことを「お兄ちゃん」って呼び続けてる。





もちろん、鷹耶だけを責めるつもりなんて、ない。


あたしだって、抵抗しようと思えばいくらでもできたんだから。



……でも、あたしは、どこか鷹耶に完全には抗えずにいた。
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