ぼくの太陽 きみの星
鷹耶と話すと、いつもこんな調子。

のらりくらりとはぐらかされて、結局鷹耶が何を考え何を思ってるのかわかんない。


最初から、あたしに本心を話すつもりなんて、まるっきりないのかもしれない。




あきらめて、寝転がったまま、うとうとしかけたとき。



「……ねぇ、未怜」


横から、ふと静かな鷹耶の声がした。



「未怜はお父さんと仲良かった?」


隣で寝転がってる鷹耶は、頭の後ろで手を組んで、半分開いた目はじっと天井を見つめてる。

その繊細なラインを描く横顔は、能面のように無表情だった。


「パパと?」

「うん。どんな人?」

「よく遊んでくれた記憶はあるけど……

あたしが3歳の時に出て行っちゃったから」

「……3歳の時に?」


ひとつ屋根の下に暮らして2年。

鷹耶とこういう話をしたのは初めてだった。
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