ぼくの太陽 きみの星
あたしは、ためらいながらも思い切って聞いた。

今しか聞けないような気がして。


「お兄ちゃんは?お母さんとは?」

「……」


しばらく返事を待った。


だけど、鷹耶は何も言わなかった。



勇気を出してもう一度聞く。


「お母さんとは、あんまり仲良くなかった?」


「……堕ろす金もなくて、病院も行かずに自宅でこっそり生んで、自分のベッドに丸2日そのまま放置してたような人だからね」


「……え?」


「気候がよくなかったらそのまま死んでたんじゃないかと思うよ。

偶然祖母が見つけて助かったんだ」


その黒い瞳は沼のように暗く、底が見えなかった。



(オレの人生なんて、最初から狂ってるんだから)



一年前の鷹耶の言葉が脳裏に浮かんだ。
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