ぼくの太陽 きみの星

2.初めてのデートは

「未怜ちゃん、ちょっと家寄ってかない?」


ちょっと照れながら琢磨くんが言った。


「母さんいるし、何もしないから」

「あはは、そんなこと言わなくていいから」


あたしは笑ってうなずいた。



これで琢磨くんと一緒に帰るのは何回目かな?

もう10回か15回か。


昔話に盛り上がったり、小学校のクラスメートの中学校でのとんでもない活躍を聞いたり。

下校はとっても楽しい時間だった。


「覚えてる、母さん?未怜ちゃんのこと」

「当たり前でしょ!覚えてるわよ~」


城崎家に入ったとたん、琢磨くんのお母さんの激しい抱擁をくらった。


「きれいになったわねぇ~。

まさか同じ高校だなんてねぇ~」


――そうだった。

琢磨くんのお母さんもとっても明るい人だっけ。


「未怜ちゃん、中学入るときに引っ越して行っちゃったのよねぇ。

琢磨それはもう激しくショック受けてたのよぉ~」

「ええ?そうなんですか?」

「もうねぇ、ガアアアアーーン って感じ」


両手を天にかざして叫ぶ。
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