ぼくの太陽 きみの星
「やめてよ母さん、そういうこと言うの!」

「あら?言っちゃだめだった?」


明るくて楽しい琢磨くんのお母さん。

全然変わってない。


琢磨くんの家って、小学生のときに何回か来たことがある。

懐かしいな。





男の子らしく適度に散らかった琢磨くんの部屋で、並んで座ってケーキを食べる。


「たまたまケーキがあって良かった~」

「おいしいね」


なんて空気がなごんだ頃。

琢磨くんが悩ましげに口を開いた。


「あのさ。

ぶしつけなこと聞いて悪いけど……

中学入るとき引っ越したのって、お母さんが再婚したの?」

「うん、そう」


あたしはうなずいた。


「正確にいうと、再婚の話が大体固まったってとこ」

「なるほどね。

そうだよね、名字変わってるし」


琢磨くんも、うんうんとうなずく。
< 38 / 295 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop