ぼくの太陽 きみの星
「てっきり一緒の中学だと思ってたから。

未怜ちゃんがいないって気付いて驚いた」


ちょっとすねたみたいな口ぶり。


「何組だろうってあちこち探して、どこにもいないんだもん。

何も聞いてなかったし、誰も知らないし」

「ごめんね。……突然だったから」


あのときはほんと、突然だった。


「中学入ってすぐ転校するのはかわいそうだって、急遽、再婚相手の家の校区の中学に最初から行くことになって。

でも、それから実際はいろいろあって、引越しはだいぶ後だったんだけど」

「そっかぁ。

それじゃ、もしかして、いないって気づいてからおうちに行ってみても遅くなかったんだ」


はぁっとため息をつく。


「ごめんね、未怜ちゃんを責めてるわけじゃないんだ。

でもずっと気になってたから」


琢磨くんは、にっこり笑った。

屈託のない笑み。


「今はそばにいるしね。

未怜ちゃんが。


……だからもういいんだ」


あたしも思わず微笑み返す。
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