ぼくの太陽 きみの星
「でも、あたし、ダメなの。

琢磨くんに好きになってもらえる資格なんてないからダメ」

「資格?」


しばらくぽかんとすると、琢磨くんは眉をひそめて首をかしげた。


「資格なんて要るの?」

「……ほんと、琢磨くんにはふさわしくないから……あたし」

「何言ってんの?未怜ちゃん。

ぼくを一体何者だと思ってる?」


琢磨くんは安心したように笑った。


「ぼくは未怜ちゃんが好き。

それ以外に何がある?」


裏のない、爽やかな笑顔。


「もちろん未怜ちゃんに好きになってもらわないといけないけど」


あわてて付け足して肩をすくめる。


「そこは努力するから。

だから、その……ぼくと、付き合ってくれる?」


(琢磨くん……)


その笑顔に。

かたくななあたしの心も、パラパラとほぐれていく。
< 44 / 295 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop