ぼくの太陽 きみの星
そのとき、ふと鷹耶の動きが止んだ。



(な……に……?)


目の端に、フローリングにひざまづいたまま、あたしの携帯を見てる鷹耶が見えた。


「……なに…してるの?」


鷹耶は何食わぬ顔で携帯を床に置くと、にっこり笑いかけ、再びあたしを攻めにかかる。


「やめ……」



(携帯で何してたの?)



そんな疑問はあっという間に遠くに去りつつあった。




ふと、頬に心地よい風があたった。


カーテンが揺れている。



外から自転車の音が聞こえた。



「……ねぇ、窓、開いてない?」



鷹耶は、それには答えない。

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