ぼくの太陽 きみの星
いつのまにか。


あたしは、抵抗するのも忘れて、全身を包む感覚に完全に身を預けていた。

脳が溶けてしまいそうな、とろけるような快楽に。


何もかも、時間すら忘れて。

繰り返し繰り返しやって来る波に、何度も高みに押し上げられながら。




「もう……ダメ……もう……許して」


「何?ギブアップ宣言?」


鷹耶の、どこかやさしい声がした。






そのとき。




不意に、カーテンが風でひらりとめくれ上がった。


風が髪を揺らす。




(……?)



ふと目をやったカーテンの向こう側。



一対の目と、目が合った。

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