ぼくの太陽 きみの星
茶色い、大きな目。



カーテンの隙間から、リビングの中での事態を呆然と見守る目と。




(え……?)




「……満足できた?」


ふと、鷹耶の声がした。


鷹耶は、ぐったりとソファにもたれかかったまま動けないあたしの、足を丁寧に伸ばして揃えると、ワンピースの裾をきちんと直した。


そして、愛しそうな仕草で髪をなで、額にかかった髪をそっと直し、やさしく抱きしめてゆっくり頬に口づけた。



「彼氏のHでイケなかったらいつでも言って」


鷹耶はそのひどく整った顔に、天使の微笑みを浮かべてそう言うと。

さっと立ち上がって、悠然とリビングを出て行く。




その間、あたしの目はずっと窓の外に釘付けになっていた。




(――琢磨くん。



どうしてここに?)
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