ぼくの太陽 きみの星
琢磨くんからは、いくつもメールが届いてた。

だけど、開く勇気がなくて全然見てない。


着信も毎日のように入ってたけど、とてもじゃないけど出られない。

留守電も聞いてない。



(自分であんなこと仕掛けたくせに、よくそんなこと聞けるね)



鷹耶はあたしが返事をせずにいても、一向に気にした様子もなく、涼しい顔をしてゆったりとコーヒーを飲んでいる。




先に折れたのはあたしの方だった。


「どうして……あんなひどいこと仕組んだの?」

「……」


鷹耶は眉を上げて首をかしげると、にっこり笑った。


「仕組んだとはずいぶんなお言葉だな」

「……だってそうでしょ!」

「仕組むも何も、あれが現実でしょ」

「……ひどいよ」


あたしは唇を噛んだ。



何も言い返せない。


くやしくて涙が出そうだった。
< 73 / 295 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop