ぼくの太陽 きみの星
琢磨くんが、一体どんな気持ちであの光景を見たのか。

想像するだけで、めまいがしそうだった。

顔に血がのぼる。



「逆にあれで引くくらいなら、それくらいの仲だってことじゃないの」


鷹耶は無責任にそう言い捨てると。

やがて伸びをして立ち上がり、くすくす笑いながら階段を昇っていってしまった。



(何なのよ……)


何がしたいの?

人を思うように動かして、楽しんでいるだけ?




――一層燃えてる?


そんなわけないよ。



ドン引きだって


きっと軽蔑してる。





あたしは、鷹耶の消えた階段をただ見つめるだけしかできなかった。
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