ぼくの太陽 きみの星
「未怜が、あいつのことどう思ってるか、正直に言ったら許してあげる。

……わかってるね、正直にだよ」


鷹耶には、どういうわけか嘘は通じない。

あたしは思わず唇を湿してた。


「琢磨くんは……、昔は大好きだった。

素直で、明るくて。

とってもまっすぐだから」

「……」

「でもね、ほら、初恋の相手っていっても、小学生のときだし……」

「だし?」

「……突然現れて、正直とまどってる部分もある。

もちろん今でもかっこいいけど、子どものときのイメージも強いし……」

「……」

「ドキドキするっていうのはあるかもしれないけど……」

「……」

「琢磨くんがずっと好きだったって言ってくれて、それであたし……」


不意に、肩を掴んでいた手を離されて、あたしはよろけた。


「おっと」


そこを、鷹耶にもう一度抱きかかえられる。


「ずいぶんご丁寧に説明してくれるね」


苦笑まじりの声。
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