ぼくの太陽 きみの星
立っていられなくなって、そのままずるずるとしゃがみこみそうになるのを。

さっと伸びた琢磨くんの腕が、しっかりと支えて抱きかかえた。



「未怜ちゃん、大丈夫?」



頬を紅潮させた、嬉しそうな顔。



そのままぎゅっとあたしを抱きしめる。





しばらく無言でずっとそうしていた。



二人だけの時間。






「前は、ごめんね……」



抱きしめたまま、小さく耳元でつぶやく声がした。




「これからは、ちゃんと未怜ちゃんを満足させてあげられるようにするから……」



抱きしめる力がぎゅっと強くなる。


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