ぼくの太陽 きみの星
「……早く来ないと、ケーキ、食べちゃうからね」


部屋から出て階段を降りようとすると。


後ろから素早く腕をつかまれ、部屋の中に引っ張り込まれた。


「痛っ」

「逃げるなよ」

「やめてよ、ママが下にいるんだから」

「ちゃんと言ったら離してあげる」

「………」


薄笑いを端正な頬に浮かべた鷹耶を、思わず精一杯にらみつける。



どうしてこの人は何でもわかっちゃうんだろ。



……なるようになれだ。


あたしはやけくそで、挑発的に言い放った。



「……お兄ちゃんの言ったとおり。

これでいい?」

「……」


鷹耶は何も言わず、ただ肩をすくめてフッと笑っただけだった。
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