ネコ専務シリーズ2
ネコ専務は自分を取り囲んで、懸命に
何かを伝えようとする猫たちを、う~ん
と唸りながら眺めていたが、

やがてこんなことをつぶやいた。

「合唱・・合掌? 君たちの仲間が
 亡くなったから、立派な葬式を出して
 欲しいということかなあ?」


・・こりゃダメだ。猫たちはあきらめて、
部屋からゾロゾロと出て行ってしまう。

しかしシンイチは去り際に、ひとり部屋
に残ったシロの耳元でこうささやいた。

「シロさん。僕らは今日はここまでに
 しておくが、僕はまだあきらめないよ。

 君ももうちょっと粘ってみてくれない
 か?」


この猫、相当粘り強いわね!

シロのシンイチに対する好感度は、この
「目標に対する粘り強さ」を実際に見る
ことでまた上がり、一瞬胸が「キュンッ」
となったのだが、

考えてみれば、この場合がんばるのは
他ならぬ自分であることに気づくと

「なによ、仕事押しつけちゃって」

といつものシロらしい皮肉癖を思い
出したのであった。
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