ネコ専務シリーズ2
人々は改めて聞く気になり、周専務に
先を続けろと促す。周専務は説明を
始めた。

「実は私の弟のひとりが今、重慶で自動
 車メーカーを経営しているのですが、

 彼が長年の研究によって、全く新しい
 原理の車を発明したのです。

 それは、燃料が一切必要なく、ガソ
 リン代無用、完全無公害という、奇跡
 の自動車なのです!

 なのですが、弟にはどうしようもない
 問題がひとつありまして、彼の会社は
 小規模なため、そのミラクル・カーを
 大量生産する資金も力もありません。

 ところが、我が社にはその力が十二分
 にあるのです!

 この車は、私も重慶に飛んでこの目で
 しっかりと確かめてきましたが、全く
 確かなものです。

 私は何も、身内だからということで
 こういう提案をしているのではありま
 せん。

 我が社にとって、確実なビッグチャン
 スだから、この提案をしているのです!」
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