ネコ専務シリーズ2
電話は言いたいことを言うと、また連絡
するとつけ加えて一方的に切れた。

そなたたち? 変な喋りかたをする奴
だなあ、などと思う暇もない、もう社内
は大混乱である。

ネコ社長の右腕である周温頼副社長は、
社の幹部たちを緊急招集し、対策を協議
したが、さきほどの電話は録音していな
いので判断材料に乏しく、

犯人が怪猫10000面相を名乗って
いること、そのグループにネコ社長が
さらわれたらしいこと、それぐらいしか
分からない。

人々は猫の額を寄せ合って、うーん、
うーんと唸っていた。

そのとき、タコ専務はふと、すばらしい
アイデアを閃いた!彼は興奮して言った。

「おい、犯人は警察に言うなとは言って
 いないよな?」


それだ! とパチンと指を鳴らし、
周副社長は、会社から北に2,3キロの
ところにある、桜田門の警視庁に直ちに
電話をかけて、この事件のことを警察に
伝えた。



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