ネコ専務シリーズ2

第三話「二度目の電話」

午後6時11分、人々が手に汗握って
じりじりと待っていた、二度目の電話が
ようやくかかってきた。

犯人からの電話は社内のどこの電話に
かかってくる、ということを、一度目の
電話のときに犯人の方が指定している。

周副社長は周りの刑事たちを見回し、
そのうちの一人がうなずいたのを合図に、
バッと受話器を取った。

「やあ、一兆円は用意したのかな?」

おかしい! その電話は、口調はさき
ほどの男の口調に似ているが、声は
まるっきり、可愛い女の子のもので
ある。

周副社長はいぶかしみ、君は誰だと
問い返す。
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