ネコ専務シリーズ2
「ネコラス刑事、また会ったね。そなた
 とは5年のつきあいだ。
 
 そなたは一度はこの私を本当に捕まえ
 る一歩手前までいった、優秀なネコ。

 それが今たまたまこの場に居合わせて
 いることには、何か運命を感じるよ」

ネコラス刑事の耳に、またフフフフッと
少女の含み笑いが響く。しかしネコラス
刑事も負けてはいない。彼は

「ハッハッハー!!」

と芝居めいた大笑いをし、

「それは黄身の無意識が、早く誰かに
 愚かな自分を捕まえて欲しい、早く
 罪をつぐないタイと願っている殻
 (から)だよ! 

 いい貝? 絶対に捕まえてやるから
 な、楽しみにしてろよ?」

しかしそのとき、電話は切れた。
< 177 / 208 >

この作品をシェア

pagetop