ネコ専務シリーズ2
「ね、暗号なんて書いてあるの?」

頬を紅潮させて尋ねるシュウ。アツキは
答えず、首を傾げて紙に書かれた文章を
読んでいた。

シュウが暗号だという文字はアツキの
生まれ故郷の言葉だった。それにどう
考えても仕事関係の文章ではない。
小説だ。

一体何やってんだ、セティ。

「ねぇパパ、何書いてあるの? セトナ
 おじさんの正体分かった?」

肩を叩かれて我に返る。幼い息子の瞳は
期待に満ちていた。勝手に文書を持ち
出したことを叱ろうかと思ったが、

アツキ自身が好奇心に負けていた。
「ネコ専務の大冒険」とは一体何なの
か?



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