ネコ専務シリーズ2
ネコ画伯は同じ試合を、赤トンボには
見つからないところから、水彩画に描い
ていたのだ。

それは赤トンボの絵と同じく、ウサギが
走っているところを描いたものだったが、

誰が見ても、ネコ画伯の絵の方がはるか
に上手い。

「父さんは抽象画家のはずだけど、何
 描いても上手いんだね」

とウサギは感心したように言う。
赤トンボは、

「お父さん、どうしたらこういう絵が
 描けるの?」

と真摯に聞いた。するとネコ画伯は

「そうだなあ。赤トンボがウサギともっ
 と仲良くするんだったら、オレの
 絵の技術をいくつか伝授してやるよ」

と言ってニヤッとしたのであった。



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