ネコ専務シリーズ2
ネコ専務は弟のこの快挙を街で配られて
いた太陽新聞の号外で知り、我がことの
ように喜んだ。

そしてあの4年前の文芸評論の評論家が、
今回のことに関してどんなコメントを
するだろうかと、ちょっと意地悪く思っ
たのだが、彼の名前が思い出せない。

ネコ博士に聞けば知っているだろうが
・・と思ったが、ネコ専務は恨みがま
しい性格ではまったくないので、いいや、
もう、と思い直すと、そのことはもう
それっきり忘れてしまった。

ネコ専務は、号外をカバンに突っ込んで
歩道の端に寄り、4年前とは違う最新型
のケータイを取り出して、さっそくネコ
博士に祝いの電話をかけたのであった。

             おしまい

             

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