ネコ専務シリーズ2
「そうか、ダメだったか」

3日後の午前1時すぎ。スーパー「声優」
の駐車場に集まった猫たちは、シロから
の報告に、一様にため息をついた。

しかしシンイチは、青い目をやや伏せは
したが、あまりガッカリした様子でも
なかった。彼は言った。

「では、作戦第二弾だ。夜が明けたら
 みんなでシロの家に行って、家の人に
 僕らの歌を聴いてもらおうじゃないか。

 それからまた説得してみようよ」

さんせ~い、さんせ~い。

シンイチのファンであるメス猫たちから、
黄色い声があがる。シロはまだ懐疑的
だったが、ま、試しに一回やってみま
しょうかね、と思い直した。

シロはネコ専務の住むマンションの場所
をみんなに教えたので、朝6時にその
周辺の小さな公園でまた集合することに
して、猫たちはいったん解散した。



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