~ババアとあたし~
―――ここは、どこ?


いつのまにか、あたしは知らない場所にいた。


白い壁に囲まれた清潔感に溢れた部屋。


信じられないことに、あたしは宙に浮いていた。


「見て、このリンゴ。美味しそうでしょ」


足元で声がした。


あたしはそれに反応して、パッと下を向いた。


―――不思議な光景だった。


ベッドの上で眠っている自分自身を見下ろしたことなんて、今までなかったからね。




< 15 / 23 >

この作品をシェア

pagetop