ウルフな彼
「あんたら」
少年がクルッと
こちらを向いた。
「他の種族を
あんまり追求
しすぎない方がいい。
人間と狼は別なんだ。
次は助けないからな」
それだけ言うと
ゆっくりと歩き始めた。
その背中を見てると
なぜかこのままじゃ
いけない気がした。
「あ、あの!」
無言で振り向く彼。
「あ、ありがとう
ございました。
あの…
あなたはどこに
行くんですか?」
あたしは普通に
疑問に思ったことを
聞いた。
だってこの人
森の奥に向かって
歩き出すんだもん。