ウルフな彼

「…知りたい?」



ニヤリと笑った
その瞳から
目が離せない。

彼の目を見ていたら
自然と頷いて
しまっていた。



「じゃあ…
着いてこい」



彼に手を引かれるまま
歩き出す。



「えッ!?ちょ、
由羅ちゃん?」



今ではもう
冬也さんの声は
聞こえてなかった。



ただあたしの前を歩く
この不思議な少年から

目が離せなかった。



「あんた名前は?」

「え、由羅…」

「由羅…か。
オレはオウガ」

「おうが?
ッて名前なの?」

「由羅、昔もこの森に
来たことあるか?」

「うん。
昔はよく遊んでた」

「ふーん…」



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