ウルフな彼
「もうわかったよな?」
サラサラな茶髪と一緒に
さわさわ揺れる
三角の大きな耳。
「ほ、本物…?」
「当たり前」
ピクッと動くその耳。
「まだわかんないなら
もう1回教えてやろうか」
「やだッ…なにを…」
ゆっくり近づいてくる奴。
あたしは座ったまま
後ずさるけど
そんなんでいつまでも
逃げ切れるわけがない。
奴の手があたしに
のびてくる。
…やばい!
そう思った時だった。
「はいストーップ」