ウルフな彼
う…
またこの瞳…
でも
もうこの瞳には
騙されないんだから!
「何が何でも
帰ります!さようなら!」
くるりと方向転換して
辺りを見回すけど…
「…」
「てゆうか由羅ちゃん
道わかるの?」
そう、あたしは
ただオウガに
手を引かれて
着いてきただけ。
しかもこんな森の奥まで
来たことなんてないし。
さらにあたしのお腹が
追い討ちをかける。
グウ~~~
顔から火が
出たようだった。
「集落には飯もあるぜ?
ほら、いくぞ」
あたしは顔を
赤くしながら
着いて行くことしか
できなかった。