ウルフな彼

ふいにオウガが
立ち止まった。



「…何があったんだ?」

「え??」

「そんなこと
言うなんて…
過去になんか
あったからだろ?」



自然と涙がこぼれた。



今までそんなこと
聞いてくれた人
いなかった。



全然気づいてくれないか、

気づいても聞いて
くれない人ばかり。



「話しても…いいの?」

「オレが聞いてをだから
話す他にねえだろうが」



あたしは意を決して
口を開いた。



< 59 / 91 >

この作品をシェア

pagetop