ウルフな彼
「あたしが
中学生の頃だった…」
―――…
「子雪ーッ!
やったよー!!」
「おめでとう、由羅ー!」
あたしには子雪という
1人の親友がいた。
そしてこの日、
憧れていた
睦月(ムツキ)先輩と
付き合えることに
なったあたしは、
子雪と喜びを
分かちあっていた。
「由羅!
あたしは何があっても
あんたの味方だから
何でも相談してよね?」
「ありがとう。
子雪!!
じゃあ先輩のとこ
行ってくる!!」
この時のあたしは
気づかなかった。
子雪が小さく
舌打ちしていたことに。