ウルフな彼

毎日のように
1階から聞こえる
両親の怒鳴り声。



お皿や花瓶の
割れる音も
しばしば。



兄はいつも夜遊び。



あたしは1人
布団の中で
震えているしか
なかった…。





そしてある日の帰り道。



「どうしたの?
最近元気ないね?」



心配してくれた
先輩の言葉が
ただ純粋に嬉しかった。



「実は…」



そしてあたしは
今の家庭の状況を話した。


先輩なら力に
なってくれる。


勝手にそう信じていた
あたしがバカだった
かもしれない。



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