ウルフな彼
―――…
「ま、あたしが
都会に戻りたくないのは
こーゆうわけ。
結局そのあと
両親は離婚。
あたしは母親に
ついていったけど…
暖かい家庭なんて
ありえない話だよ。
人間なんて
汚い生き物なの。
オウガもそう
思うでしょ?」
「うん。思う」
するとオウガが
一歩こちらに
近づいて言った。
「でも…
そーゆう由羅は?」
「え…」
「そーゆう由羅だって
人間だろ?
由羅も汚い生き物なのか?
それとも自分は別?」