ウルフな彼
「な、何言って…」
「人のことそうやって
さげすんでるけど
それはただ単に
由羅が変わらなきゃ
いけねえんじゃねえの?
自分が本気で愛さなきゃ
誰も変わってなんか
くれねえぞ」
カッと頭に
血がのぼった。
「本気で愛された
ことない人間が…
誰かを愛せるわけ
ないじゃないッ!!」
そしてそのまま
走り出した。
「あ、おい!
危ねえぞ!!」
そんなオウガの
声はあたしには
届かなかった。