ウルフな彼
「も~!
いいかげんにして…
わッ!?」
「由羅あったかい~」
オウガはちゃんと
目が覚めるまでに
相当時間がかかるらしく、
こうやって布団に
引きずりこまれることも
しばしば…。
「ちょっとー…
いつまで
寝ぼけてんの…」
「寝ぼけてないよ?」
急に耳元で
真剣な声がして
ドキッとする。
吸い込まれそうな瞳で
じっとあたしを見つめる。
「ちょ…おう…」
あたしの声は
オウガの唇によって
消えていった。