あたし、飼育。
「…、帰らないのか?」


「帰る場所なんてないわよ」

そう、あたしに帰る場所なんて、ない。




夜な夜な聞こえた母と男の生々しい喘ぎ声、

母の暴力…。

いつも、苦しくて

いつも、あたしは孤独なんだと感じてた。

友達もいなかったし。


さっき男が来たからって家追い出されたの、なんて絶対言えないわね。

クスッと笑みが漏れる。

思いだしただけで笑えるわ。


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