妊娠=絶対産めるわけじゃない〜子宮外妊娠って知ってますか?〜

出血と腹痛


翌日、顔を見せてあげることも抱いてもらうことも出来ないけれど、我が子におじいちゃんとおばあちゃんに会わせてあげたくて実家へ帰った。

母が涙目で

『代われるものなら代わってやりたい…
なんでアンタがこんな辛い思いしなきゃならないのかわからないよ…』

そう言ってきたが、私は母の前で泣けなかった。
これ以上心配かけたくなかったからだ。

『そういう運命なんだから仕方ないよね。』

笑顔で返した。



懸命に生きている命を人の手で取出して殺してしまうことが私は受け入れられず、その日はずっと右の下腹部を擦りながら

『最後の親孝行だから、自分で心臓を止めてね、お願いね。』

そう呟いていた。


夜になり翌日もパートがあるしそろそろ帰ろうとしていた矢先、お腹に異変を感じた。

なんとなく痛い気がする…

トイレへ向かうと少量だが出血していた。


私が実家に居ることを聞いて飛んで来てくれた姉と母に

『電車内で大量出血したらどうするの!!』

と怒鳴られ、仕方なくパート先のリーダーと主人に連絡を取り、そのまま実家へ泊まることにした。


< 20 / 36 >

この作品をシェア

pagetop