可愛いなんて大嫌い。
第1話 嫌いなものは嫌い!
 神田葵、15歳。柊中出身。

 金髪ツインテールに、少々つり目。黙っていれば可愛いが、口を開くととんでもない。

 翠翔学園高校1年生になって今日で3日目。

 まだ慣れないピンクのセーラー服を着て、覚えたての通学路を1人歩いていた。

「葵おはよー」

「おっ、みーちゃん。みーちゃんが遅刻せずに来るとは珍しいな」

 葵に挨拶した彼女は高橋瑞穂こと、みーちゃん。

 葵の親友であり中学からの仲だ。

 今ではちゃんと更生しているが、何を隠そうみーちゃんは、喧嘩上等・大人ウザい・学校なんかクソくらえ、と3拍子揃った元ヤンである。

「あたしもいろいろ忙しいんだよ。お前と違ってな」

「なんだ、まだ夜な夜な外に出ては派手にやっているのか?」

「やってねえよ。 あたしを見ろ! ちゃんと高校生らしく更生してんだろ」

 見ろと言われたのでとりあえず見るが、

「そうか? 葵はなんとも言えんな」

 荒れ狂っていた時代を知ってるが故に、葵は白々しそうにした。

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