可愛いなんて大嫌い。
「さっ、桜ちゃんごめんなさい!! この通り!」

 須藤先輩は速攻で地に頭をつけた。いわゆる土下座である。

「そそっ、そうだ桜ちゃん! うちにも期待の新星がいるんだ! ちょっとこっちへ来い」

「勝手に新星とか言わないでください。オレ入部するなんて一言も言ってないですよー」

「お前っ!! サッカー部期待の新星だったのか!」

 須藤先輩が連れて来た期待の新星を見て、葵は物凄く驚いた。

「なんで葵ちゃんがここにいるの? あっ、マネージャーになったの?」

 なんとライバル矢神は須藤先輩の手により、無理矢理サッカー部に入部させられていた。

 しかも「期待の新星」という称号付きで。

「お前がサッカー部だと知って葵がなるわけないだろ!」

「なんだ、お前達は付き合っているのか?」

 葵は今にも襲いかかりそうな表情で須藤先輩を睨み付ける。

「わわっ、わかったわかった! 違うんだな! オレが悪かった!」

 本日2度目の土下座である。

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