可愛いなんて大嫌い。
「……じゃあ考えておきます」

「オレの言うことは聞かないのに、天宮が言うと聞くんだな。所詮お前も男か」

 その瞬間、須藤先輩は殺気を感じた。

 この先輩はいつも一口多いのだ。余計なことを言っては部員達に煙たがられている。

「須藤先輩の言ったことなんて気にしないで。わたしは2年の天宮さゆり。よろしく」

 マネージャーの天宮先輩は美人で、スタイルが良く、学校の有名人である。

 しかし、新入生であれ矢神はそれを知らなかった。

「休憩終わりだ! 練習再開するぞ!」

 部員達はまたグランドへ戻って行った。



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