可愛いなんて大嫌い。
教室に着くと自分の席を探した。葵の席は1番後ろで窓際から2列目である。
入学早々、なかなかの好位置をキープした。
周りを見渡すと入学3日目の今日は、みーちゃんとその彼氏ゴリラ以外知らない人ばかりだった。
友達の和を広げたいのだが、どうしたらいいものか。
(友達とはどうやって作るものなのだ?)
そんなことを考えていたらさっそく授業が始まっていた。
1限は現国。前の席からプリントがまわって来る。
(高校の授業ってたいしたことないな)
こんなことをほざいている葵は、とりあえず痛い目に合えばいい。
「授業終了まで自由に書いてください」
1回目の現国は将来の自分をテーマに作文を書くことになった。
与えられた課題なので皆書いてはいるが、
(なんだか中学生みたいだな)
高校生にもなってこのような作文を書くとは子供っぽいと思う葵であった。
「……?」
すると隣の席からプリントが落ちて来たので、親切に拾ってあげた。