可愛いなんて大嫌い。
 クルクルパーマと呼ばれた女子は、そのパーマを逆立てて怒った。

「なんなのあなたはっ!! 邪魔しないでよ!」

「うるさいチョココロネ」

「チョココロネって誰のことよ!」

「お前のことだチョココロネ」

 葵のせいで女子達の怒りはどんどんヒートアップしていくが、そんなのお構い無しである。

「ちょっと小耳にはさんだんだが、お前学年主席らしいな」

「どこで聞いたの?」

「さっきお前らが話しているのを聞いたのだ」

(あー……、答えなきゃよかった)

 こんな面倒くさい奴にバレるなんて考えてなかった。

 葵のような奴にバレたら最後、勝つまで勝負しろ! と言ってきそうだ。

 そんなの絶対ノーサンキューである。

「次のテストでは葵が勝つ! お前をそこに膝まづかせてやるからな!」

 言いたいことだけ言うと、葵は女子群れの中を去って行った。

 その後は言うまでもない。

「あの女は何なのよっ!!」

「わたし達をバカにして!」

「クルクルパーマって言われた恨み絶対はらしてやるわ!」

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