Cry
「次の休み時間も来るから!」



そう言って、ドキドキをごまかしながら、私は教室へと走り出した




「ムリすんなよ~!」




そんな私に、また天は、やさしい言葉をかけてくれた


















「あれ?梨衣ちゃん?遊びに来てたの?」




梨衣が帰った後の教室





どこかから戻って来た美由が、天にたずねた



一瞬、美由がおびえるように教室の中に視線を向けたのを、天は見逃さなかった





「ねぇ、天ちゃん。梨衣ちゃん、どうしたの?」



「…なんでもないよ」





さっき梨衣にしたそれよりも更にやさしく、天は美由の頭に、ぽんっと手を置いた




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