金魚すくい
「別にいいだろ。」
「なっ!?」
何その言い方。
「噂なんていちいち気にしてられないね。ちょっと話すだけでも付き合ってるとか勘違いする方が悪い。」
晃は左手の袋の中を泳ぐ金魚を見つめた。
「晃にとったらいつもの事かも知れないけど、私はそういうふうは考えられないの!!」
「‥何で?」
‥何でって。
私が怒鳴ってもこの返事だ。
「私は晃とは違うの。運動もできないし、頭も良くないし、とびきり可愛いわけじゃない。吊り合わないないもん。」
私は晃を見ないようにしてそっぽを向いた。
「‥いや、別に俺も完璧な人間じゃないけど。」
「え?」
晃が予想外の言葉を吐いた。
「でも何でも出来るじゃん。」
「まぁそれはそうだけど。」
‥そこは否定しないんだ。