隣の部屋
「はい、鍵よ?無くさないようにね
じゃあもう荷物も運んだし……
好きにしていいわよ?」
そう言ってマンションの管理人さんは出ていった。
「いい眺めー♪」
早速窓を開けて換気をした。
でもちょっと寂しいのが、この部屋の隣に誰も住んでいないこと。
「あ、でも声とか会話が聞こえないからいっかぁ♪」
それからあたしは、持ってきた家具を並べ
自分の居心地のいい空間へと変えていった。
「本当いい部屋だな」
ソファーやベッドを置いても狭くならないし
お風呂とキッチンまでついている。
全てが終わって一息着いたときにはもう、真っ暗になっていた。
あたしは机に鏡をのせメイクを落としていった。
「…キャッ!!!」
なに…今の…?
一瞬、鏡の奥に長い髪の女の人が見えた気がした…。
「気のせい…か
疲れてるのかな?」