%コード・イエロー%
「佐藤、何さん?」
「ええ、と・・」
「カルテ番号は?」
「あ・・・」
「なんでQ外にかかるの?」
「・・・・」
矢継ぎ早に質問され、私は答えに窮した。
なんで、そんなこと、聞いてくるのだろう。
でもとにかく、ここを出なければ、本当に困る。
「あの、私、患者さんの番号を書いたメモを忘れてきたみたいで、
ちょっと取ってきます!」
苦しい言い訳だが、これならどかないわけにいかないだろう。
そう思ったのに、なぜか仲地は、PHSを取り出した。
医師には全員支給される、医療機器に影響のない院内専用PHSだ。
仲地は、私の目の前でおもむろに番号をプッシュすると、それを耳に当て、
面白そうな顔で、私を眺めた。