%コード・イエロー%

目だけをきょろきょろさせて、逃げ場を探していると、

いつの間にか、仲地の顔が、大迫力で間近にあって。


きれいな顔。


なんて、現実逃避をしてしまいそうになる。


顔を傾けた仲地に、何をされるかわかって、私は目を閉じて必死に顔を背けた。

その瞬間。


「いいのか?」


という、艶やかな声が私の耳を侵す。


意味を知ろうと瞼を開けると、今度ははっきりと、それを告げられた。


「嘘をついて、カルテ庫に忍び込んだこと、ばれても、いいのか?」


はっとした私の顔が、仲地の黒い瞳に映りこんでいる。


「ひ、卑怯者っ!」


やっとの思いでそう言葉にしたのに、仲地は唇の端を、これでもかというほど吊り上げた。


「どうする?」


私の耳元に唇を寄せて、息で言葉をつむぐ。



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